Project CN
プロジェクトCN

リニア中央新幹線

JR東海が進めるプロジェクトであるリニア中央新幹線の建設に当社も様々な場面で参画しています。

山梨リニア実験線ガイドウェイ側壁撤去工事

2020年9月から名工建設㈱との JVとして山梨リニア実験線北線の 旧ビーム式ガイドウェイ側壁撤去処分工事に参画しました。工事には特殊制作車両や
重量級クレーン(450t吊、200t吊)を用いて延長8.4㎞を施工しました。リニア走行試験による作業時間等の制限の中、昼夜混合作業で2年半にわたり行い2023年3月に完了しました。

中央新幹線名古屋駅新設工事

新幹線、在来線が走行する名古屋駅地下約30mに最大幅60m延長900mの巨大な駅を建設する工事を行っており、
当社は2016年9月~2020年11月【中央東工区(1期)】、2018年12月~【中央東工区(2期)】にJVとして参画しています。
1期工事では名古屋駅の在来線直下に駅を作る準備作業として、在来線を支える73連もの工事桁を架設しました。
現在行っている2期工事では新駅の駅構造物の外周土留となる地中連続壁の工事を行っています。

山梨リニア実験線の建設及び改修工事に携わった経験を活かし、リニア走行開始まで今後も続くあらゆる工事に向けて、
さらなる技術力向上とノウハウの蓄積に努めています。

大府駅構内シーサースクロッシング全交換工事

2018.01

この工事は、東海道本線において信号回路の特殊な構成上の理由により、部分的に別日に交換することが不可能な条件の下で計画されたシーサースクロッシング(以下SC)の重軌条化工事(40N10番を50N10番に)であり、綿密な打ち合わせとともに高い技術力の求められた大規模工事で、JR東海にとって長年の課題でもあった。SC全交換は保守間合いや作業員数の確保が重要であり、従来はSCを5分割して1組毎に別日で交換することが多かった。しかし今回は、一間合いで5組の分岐器を一括交換することが条件であり、限られた間合いで、かつ狭隘な環境での施工が課題となった。

平成30年1月27日~29日の3日間にわたり3ブロック分割法により実施され、無事故・無災害で完遂した。施工は、付帯する前後レールの重軌条化224.4m、分岐器まくらぎの合成まくらぎ化、SC部分の道床入換え工事約73㎥も含めて計画された。交換するSCは、3つの片開き分岐器と1つの振分け分岐器とダイヤモンドクロッシングの5分岐器で構成されており、SC全体で総重量約57tにもなる。現実的で効率的な交換方法を検討した結果、3ブロック分割を採用した。また、グラップリングバックホウを2台、スイッチバックホウタイタンパ2台を使用するなど、可能な限り機械化を行い、作業員数は、分岐器撤去・路盤整正で36名、新分岐器そう入で34名、合計延べ140名での施工となり、信号や電力関係工事も合わせ閉鎖間合い38時間で無事完了させた。一人ひとりにとっては充実した長い一日となった。

東海道線鹿乗川橋りょう改築工事

当社では平成26年度から、東海道本線岡崎・西岡崎間の鹿乗川における河川改修工事をJR東海建設とのJVとして、大規模な橋りょう改築工事(HEP&JES工法)に取り組んできました。東海道本線の列車運行を維持しながら、新たにボックスカルバートを構築するために工事桁架設と軌道改良を行うとともに、日々の線路の変位を監視し軌道の整備も行いました。約5年を経て令和元年に函体を完成、最後に旧鹿乗川橋りょうの撤去工事を行い令和4年度に完了する計画です。

JR貨物名古屋港線 横断道路新設工事

2016.08-2017.08

平成28年から平成29年にわたって「JR貨物名古屋港線横断道路新設工事」を取り組みました。この工事は、東邦ガスの「みなとアクルス」開発事業に伴う道路整備で、JR貨物名古屋港線との交差部直下に線路横断道路(架道橋)を新設する工事です。施工は、貨物列車の安全で正確な輸送を確保するため、仮の橋桁(工事桁)を架設して貨物列車を支えました。その後、線路の盛土を掘削して、ボックスカルバート(鉄筋コンクリート造)を製作しました。現場は狭隘で高所作業もあり、厳しい作業環境でした。また、事業主体から工期短縮等の要請があり、工法の見直しや工程調整を行い、工期を1箇月以上短縮しました。当社の土木と軌道が一体となって安全で高品質な架道橋を新設することが出来ました。この工事を通して、当社の更なる鉄道工事の技術力向上が図れ、顧客からの信頼を高めることができました。

新幹線地震対策工事(PC交換等)

当社は、近い将来に想定されている「東南海地震」を見据え、大規模地震発災の際の新幹線の脱線事故を防止するため「脱線防止対策工事」を進めている。この対策工事は新幹線の安全を守るための大きなプロジェクトである。当社に求められているのは、2028年度末までの限られた時間の中における、安全な、そして確実な施工である。その担っている責任は大きい。地震は待ってくれない。軌道の地震対策には、新幹線の脱線を防止するためのガードレール敷設とバラスト流出を防止するためのジオテキバッグ敷設がある。ガードレールを敷設するためには、PCまくらぎの交換、または既設のまくらぎの穿孔を行っている。バラストの流出を防止するためにジオテキバッグを敷設している。

PCまくらぎ穿孔工事
PCまくらぎ交換工事
ジオテキバッグ敷設工事

脱線防止ガードの概要は、レールの内側に並行して敷設することで、地震時の脱線を極力防止するものである。地震により線路が左右に揺れると、一方の車輪がレールと衝突し、その反動で反対側の車輪が浮き上がり、この状態で線路が逆に動くと脱線が生じる。これに対し、浮き上がった車輪の反対側の車輪は、レール上に載っているため、この車輪の横方向の動きを脱線防止ガードで止めることにより極力脱線を防止できる。施工には安全の確保が第一であり、ミリ単位の精度で高品質な仕上がりを追求し、積み重ねた技術力をもとに協力会社と一丸となって挑戦していく。

脱線防止ガード敷設工事

東海道新幹線 大規模改修工事

高架橋の施工後全景

東海道新幹線の橋梁やトンネルの大規模改修工事が平成25年度より始まりました。東海道新幹線は平成26年に開業50年を迎えました。大規模改修工事は今後も新幹線が安全で安心な乗り物であり続けるため、老朽化を事前に防ぎ、構造物の延命化を図る「予防保全」工事です。JR東海の計画では、工期は平成25年4月から令和5年3月の10年間、東京・新大阪間の全線が対象で、総額約7千億円を見込む一大プロジェクトです。当社は名古屋地区・豊橋地区を担当し、当社の経験豊富な技術者と専門技術を有する協力会社とで万全な施工体制を整え施工にあたっています。また、本格的な実施に先駆けて、当社で実施した試験施工の結果が、他の地区の施工にも展開されています。

トンネル覆工コンクリートのロックボルト工
(変状発生抑止対策)
トンネル覆工コンクリートの裏込注入工
(変状発生抑止対策)
高架橋コンクリートのスラブ補強・支柱レス
防音壁の設置(予防保全対策)

白髭こ線道路橋新設工事

名称:和賀白川線 白髭跨線道路橋 【PC単純T桁橋 L=27.8m】
施工現場:三重県亀山市野村町地内
和賀白川線は、三重県亀山市中心部を取り巻く道路網「亀山環状線」の西側を南北方向に結ぶ道路であり、中心市街地へのアクセス性の向上、円滑な交通処理や防災機能を高め、今後の都市づくりに重要な役割を果たすことを目的とした延長2.3kmの都市計画道路である。当社は、JR関西本線と立体交差する跨線道路橋の橋台及び主桁架設を受注し施工した。

施工前
施工後
※架設状況
夜間線路閉鎖にて架設
PC桁架設完了

北陸新幹線 スラブ軌道敷設工事

2019.11-

北陸新幹線は、東京から高崎・長野・富山・金沢・福井などの北陸地方を経由し新大阪に至る、延長約700kmの路線です。当社は、平成9年10月に開業した高崎~長野間では、上田工区(長野県)を、平成27年3月に開業した長野~金沢間では、田海工区(新潟県、富山県)の軌道敷設工事を施工しました。現在、北陸新幹線金沢~敦賀間の令和5年度末の開業に向けて、独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構より鯖江工区(福井県福井市、鯖江市及び越前市 線路延長10.987km)を受注しました。明かり区間が約54%、トンネル区間が約46%で、第2鯖江トンネル(1.5km)と第2福井トンネル(3.2km)と2つのトンネルを担当しています。

施工を行う前には基地の設営が必要となりますが、ライフライン(電気、水道)が全くない場所に基地を設営しなければならないという課題がありました。各所と打合せや調整を行い、新たに電柱を設置して電気供給の確保、また井戸掘削により水道設備の確保することができ、課題を解決することができました。また、スラブ軌道新設においては、3D測量を活用する新システムによって路盤測量を行い、省力化・機械化を実現し、課題の解決を行なっています。

現場は、若手技術者5名が中心となって、スラブ敷設・CAモルタル注入・レール拡幅・載線を主に施工を進めています。

スラブ軌道作業車
スラブ軌道作業車
スラブ運搬
スラブ運搬
軌道スラブ調整
軌道スラブ調整
CAモルタル注入
CAモルタル注入
北陸新幹線などの「整備新幹線」の軌道構造は、設計最高速度260㎞/hという高速走行を支えるため、様々な技術を取り入れています。東海道新幹線で使用されている砕石(バラスト)道床の上にコンクリートマクラギを敷き並べレールを敷設する軌道構造(バラスト軌道)では、列車荷重によって道床が崩れレールが歪むのを防ぐため、多大な労力を要します。このため整備新幹線では、高速走行時の安定性の確保、および省メンテナンスを実現するため、コンクリート板(軌道スラブ)の上にレールを固定する構造(スラブ軌道)を標準として採用しています。

台湾新高速鉄道 プロジェクトへの技術支援

2003.12-2005.04

台湾新高速鉄道プロジェクトは首都・台北市から高雄市までの全長345kmを約90分で結ぶ高速鉄道建設で、事業主体の台湾高速鉄道が総工費約1兆6,000億円をかけて建設を行いました。高速鉄道の建設は、土木工事・駅舎建設工事・機械電気工事・軌道工事・保守基地工事の5つの主要工事に分割され、当社は台湾中心部の台中市街から北に軌道延長約40kmの高速鉄道建設に伴う軌道工事の技術支援を行いました。現地では軌道工事経験者が少なく、軌道の基礎から教育する必要があり、約3ヶ月間を費やして職長候補約30名を教育しました。

また、言葉の壁があり、通訳を介しながら「軌道の専門知識」を伝えるため身振り手振りでコミュニケーションを計り、相互の信頼関係を構築し日本式の『規律面の遵守』に重点を置きました。プロとしての仕事への取組み姿勢の意識付けを行い、個々の技量を見極め、チーム全体として技量底上げに努力し現場に臨みました。現場では体感温度が40度という高温の中、日々の計画を坦々と確実に施工しましたが、路盤不良(強度不足)の発生、台風・大雨・雷等による作業中止や路盤沈下・路盤崩壊による再構築と手戻り作業等々、苦労の連続でありました。主な軌道工事内容としては、仮軌道敷設、スラブ運搬・敷設・整正、CAモルタル注入・レール敷設、路盤防水工・消音バラスト敷設・機械式渡り線設置等を行ないました。

作業の繁忙期には13名の社員派遣と200名以上の労働者を擁する作業集団の支援を行い各工種毎に色々と手戻り作業はありましたが、当初に掲げた目標の「無事故・無災害(労災)」で無事工事を短期間で完成させることが出来ました。