Tecnical Research
技術研究の成果

シーエヌ建設設立以来、技術力の更なる向上を目的に、安全・品質確保を前提とした業務の研究と改善を、日々の弛まぬ努力で実施して成果を上げてきました。以下では近年特に成果の大きかった研究について紹介します。

現場の声を活かした技術開発による安全対策の推進

平成26年度 鉄道施設技術発表会(全国大会) 奨励賞

当社では日夜「待避不良絶滅」を合言葉にして触車事故防止に取り組んでいます。ヒューマンエラーをカバーする新たなシステムの技術開発を実務者の意見を反映させながら取り組み、2018年度~2019年度に「列警無線まもる」という愛称で製品化を行いました。これにより、中継見張員から作業現場の全作業員にいち早く列車接近を警報することができ、漏れなく「早め待避」を促すことを実現しました。
開発した製品(特許取得済)は2019年度下期に、シーエヌ建設における待避不良絶滅の切り札として、在来線の全12事業所に配備を完了。従来から抱えていたリスクを解消することができ、安全度が格段に向上しました。作業員全員に対し「もうすぐ列車がくるぞ」という最も重要な情報を確実に伝えることができるようになりました。

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列警無線まもる

鉄道近接でのパイルベント橋の耐震補強

在来線土木工事

平成30年度 第6回鉄道施設技術発表会(全国大会)優秀賞

営業線近接でのパイルベント橋の耐震補強は、全国で2件しかなく、さらに22㎜もの厚さの補強鋼板を19.5mの深さまで施工するのは初めてでした。施工箇所は、関西本線を跨ぐ大治田こ線道路橋(国道25号線)で、営業線近接でかつ狭隘で低空頭でも施工可能なSSP工法を採用して、鉄道と国道を稼働させながら、双方へ影響を与えずに、様々な対策を行い、完遂することが出来ました。

脱線防止ガード転換器(門型式)の開発

新幹線軌道工事

平成26年度 鉄道施設技術発表会(全国大会) 優秀賞

東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策として敷設されている"脱線防止ガード"の転換・復位作業を人力で行っていたことから、労働災害の危険性がありました。
この危険性を解消する目的で、軽量化・レール上を移動・電動化するという設計で開発し、安全性の確保及び作業効率の向上を実現しました。また、開発における技術的な手法について特許も取得しました。

特許 第5940751号

高架下利用箇所での耐震補強工事

建築工事

平成26年度 鉄道施設技術発表会(全国大会)優秀賞
平成26年度 建設技術発表会(名古屋建設業協会主催)優秀賞

鉄道高架橋柱の耐震補強にあたり、高架下を店舗として利用している複数の施工困難箇所に対し、発注者及び店舗のさまざまな要望や制約に応じて数々の施工方法を検討し、工期を短縮して膨大な施工量を短期間で無事故・無災害にて完遂しました。

新型防音壁新設工事における作業方法・工程の検討

新幹線土木工事

平成25年度 鉄道工事業務研究発表会 優秀賞
平成25年度 第27回新幹線鉄道事業本部土木講演会
(JR東海)招待発表

平成25年度開始の東海道新幹線大規模改修工事に対して、試験施工を通じて作業方法や工程管理などの様々な課題について検討を行い、研究成果として仮設足場の構造や下面鋼板、貫通アンカー削孔時の施工方法など種々の提案を行いました。

ダイヤモンドクロッシング2線またぎ縦取り工法

在来線軌道工事

平成22年度 全国軌道工事技術研究発表会(全国大会)優秀賞

保線作業に携わる者にとって、東海道本線の重軌条化に対して最後まで残っていた名古屋駅構内の50Nシーサスの60㎏化は、同構内での組立て場所、そこからの運搬方法が定まらず、長年の懸案事項として残っていました。そこで、知恵を出し合い、2線またがり工法という特殊な方法を考案、関係箇所との綿密な打ち合わせにより、最後の重軌条化工事を無事故・無災害で完遂することが出来ました。

鉄桁防音工取替に伴う工事用足場の施工

新幹線土木工事

平成21年度 JR東海土木会業務研究発表会 最優秀賞

新幹線の鉄桁に設置されている防音工の取替に際し、在来線の上空につり足場を仮設するという非常に困難な施工条件の下、知識と経験を活かし、施工完了まで十分に耐えうる構造を検討し、吊チェーンや振れ止め部材を見直すなどの工夫により、無事故・無災害で当該工事を完遂しました。

PCマクラギ交換片線クリア施工

新幹線軌道工事

平成18年度 全国軌道工事技術研究発表会(全国大会)最優秀賞

PCマクラギ交換の施工法は、従来から「上下線同時使用(線路閉鎖)」となる作業方式のため、他作業と競合し、施工日数が制限されるなどの問題点がありましたが、保守用車編成及び作業方法の見直しによって、「片線のみの線路閉鎖」による画期的な新工法を考案しました。これにより工事施工の自由度拡大、工事の平準化及び安全度向上等が図られ、PCマクラギ交換方式の主流として広く水平展開されています。